未明に大きな地震(このたびの北海道胆振東部地震)があった9月6日に、飼い鳥のキンカチョウが初めて産卵しました。

地震で揺れている間、おやすみカバーをかけたケージを押さえながら声を掛けましたが、きんかもしっぽも静かだったので、カバーをとらずにそのまま寝かせました。

明け方に夫が覗くと、きんかは床にうずくまっていたそうです。
午前中には、きんかのお尻(総排泄腔)のピンク色がはっきり見えているのに気づき、あれ?どうしたのかな~?と呑気に思っていました。

14時半頃、非常持ち出し袋の中身を整理していると、突然きんかがバタバタし始めました。

止まり木の上で思いきり背伸びをし、タップを踏むように小刻みに動いています。
慌てて近づくと、反りかえった尾羽の付け根に白いものが覗いていました。
卵です!

何度かいきんだと思ったら、あっという間に卵が出てきました。
止まり木の高さから床に落ちた卵は少しつぶれていました。
殻が割れたというより、卵が軟らかくて変形したように見えます。

きんかが身を削って初めて産んだ卵。
メスの小鳥を飼うのは初めてで、産卵も卵も初めて見ました。
無精卵ですから雛は孵りませんが、まごうことなき命だと感じました。
ドキドキしました。

繁殖させる予定はなく、過発情も心配なので、私たちはケージに巣を入れていません。
朝、きんかが床にいたのは地震が怖かったせいではなく、産卵の場所を探していたのでしょうか。
本当は巣のなかで安心して産みたかったでしょうが、こちらの勝手で叶えてあげることができません。

せめて次の卵が割れないようにと、キッチンペーパーを床に敷きましたが、臆病なきんかは怖がって大暴れ。
やむなく取り除きました。

産んだあとのきんかは、特に卵を気にする風もなく、近づきもしませんでした。

割れた卵を見て諦めたのかもしれませんが、「お腹が軽くなってスッキリしたわ〜」という嬉しさが勝っているように見えます。
まぁ、本当のところは分かりませんが。

地震も大変、きんかも大変な一日が、こうして過ぎていきました。



卵は数日後、近くの草地に埋めました。
ここにいずれ、きんかのように可愛らしいお花が咲くかもしれません。

 

-北海道胆振東部地震の覚書-
北海道胆振東部地震 そのとき思ったこと【2018.09】

-そのほか、鳥に関するお話-
キンカチョウのはなし

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA