ふと、思った。
フィンランド語の動詞のうち、タイプ3の動詞で子音階程交替が発生するのは、殆どが第一不定詞短形(辞書形)が -ella/ -ellä で終わるものだけ?


動詞の辞書形とは
フィンランド語の動詞には、「辞書形」というものがあります。
文法的には「第一不定詞短形」というのですが、これを辞書の見出し語「辞書形」として使います。

私は、その辞書形の末尾の特徴で、フィンランド語の動詞を1~6までのタイプに分類して勉強してきました。
そういう手法を取っていない方もいるかも知れませんが、フィンランド語を外国語として勉強する学習者にとっては、割とスタンダードな勉強の方法だと思います。

タイプ3の動詞とは、辞書形末尾が子音+子音+ -a/ -äで終わる動詞のことです。
具体的には、
・-nna/-nnäで終わる動詞( mennä「行く」など)
・-lla/-lläで終わる動詞( tulla「来る」など)
・-rra/-rräで終わる動詞( purra「噛む」など)
・-sta/-stäで終わる動詞( pestä「洗う」など)の4種類です。


子音階程交替とは
『フィンランド語文法読本』(小泉保著 大学書林発行)より抜粋します。
________________________________________
音節の開閉により、その音節の頭位に立つ無声閉鎖子音は次のように交替する

a) 音節が母音で終わる「開音節」では、頭位の子音は強階程となる。
b) 音節が子音で終わる「閉音節」では、頭位の子音は弱階程となる。 (抜粋ここまで)
________________________________________

要は「動詞の辞書形と人称変化形では、単語の中に含まれているアルファベットが微妙に異なる場合がある」のです。

フィンランド語の場合、交替の起こる無声閉鎖子音は、k「コー」、p「ペー」、t「テー」の3種類です。
よって子音階程交替を、KPT 交替あるいは KPT 変化と呼ぶこともあります。
名詞や形容詞でもこの交替は発生します。

実際に文章の中などで動詞を使う際には、主語の人称(私、あなた、彼/彼女。それぞれ単数と複数あり)に応じて語尾変化するため、辞書形が判らないと単語を調べることができません。
仮に、人称変化させたものまで全て掲載していたら辞書の見出し語の量が何倍にも増えてしまいます。

最近はインターネットの翻訳や辞書が充実してきたので、例えば wikisanakirja (sanakirja =辞書)を使って人称変化形で検索すると、辞書形はもちろん、その動詞の受動態や可能法などまですぐに分かります。
便利になったものです。

というところで冒頭の話に戻りますが、タイプ3の動詞で子音階程交替が起こるパターンは、esitellä のように第一不定詞短形(辞書形)が -ella/ -ellä で終わる形が大半ではないか?と気がつきました。
詳細を調べたわけではなく、授業等を通しての体感ですが、果たしてこの推測は当たっているでしょうか。

-関連記事-
【フィンランド語】動詞の6つのタイプ

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA