フィンランドの製菓会社 Fazer(ファッツェル)のチョコレートは世界で広く親しまれていますが、そのなかに「Geisha」と名付けられた商品があります。
ヘーゼルナッツのフィリングが入ったミルクチョコレートです。
Geishaは、そう、日本の芸者のことです。
なぜ芸者と名付けたのか理由を知りたいと思い、Fazer社のホームページを読んでみました。
Geishaを生み出したのは創業者の孫であるPeter Fazer 。
日本風のお菓子に親しんでおり、当時日本で人気があったカリッとした食感のフィリングを自社のチョコレートに合わせてみようと考えたのだそうです。
Peterはまた、1964年の東京オリンピックにセーリング競技の選手として出場しており、日本とは少なからぬご縁があるのですね。
(ちなみに Peterの祖父で創業者のKarl Fazerも、かつて射撃のオリンピック選手でした。こちらのオリンピックサイト参照)
芸者は外国人にとって異国情緒を感じる日本の文化の象徴です。
Geishaと聞けば誰でも日本を思い浮かべますから、この商品にぴったりの名前だと採用されたのでしょう。
さらに、日常を離れ心を解き放つ時間のお伴として、芸者とチョコレートには通じるものがあるという思いも込められているようです。
Fazer社のホームページのテキストを訳してみました。
英語がおぼつかないため誤りがあるかもしれません(ご指摘いただけましたら助かります)。
※文中に「日本で人気のクリスピーフィリングのMimosa」という記述がありますが、Mimosaが何のことなのか分かりませんでした。
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【原文】
Peter Fazer, a grand son of the founder Karl Fazer, really enjoyed the taste of the Japonica-pastry at the Fazer Café in downtown Helsinki, Finland. He asked his product development team to try out the japonais filling together with his excellent milk chocolate – and the classic was born.
The name and the design was given inspiration by Peter himself participating in the Tokyo Olympic games in 1964 in sailing.
Today, Geisha is the most international of Fazer’s brands. It is being sold worldwide at airports, and across Fazer’s home markets in the Nordics, many eastern European countries as well as the Middle East. In 2013-14 Geisha is taking its first steps in Asia.
【ひなぎく訳】
創業者Karl Fazerの孫であるPeter Fazerは、ヘルシンキのダウンタウンにあるFazer Caféで、日本風の焼菓子をよく楽しんでいました。
彼は商品開発チームに、自社の高級ミルクチョコレートに日本的なフィリングを合わせてみるようにと依頼しました ― こうして名品が生まれたのです。
( Geishaの)名前とデザインは、1964年に開催された東京オリンピックのセーリング競技に出場したPeter自身のインスピレーションによるものです。
現在、Geishaは、Fazerの商品群のなかで最も国際的な商品です。それは空港で、また地元の北欧市場を越えて中東や多くの東欧諸国で広く販売されています。
2013年~2014年には、アジアに初上陸を果たしました。
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【原文】
There is something altogether special with Geisha. Isn’t that the case? The taste, consistency and experience are unlike anything else. Geisha gives you time to enjoy. Time to reflect and appreciate the small things in everyday life. Moments for dreaming and pauses for reflection. Every day holds a little dream.
‘Geisha’ means a skilled person. ‘Gei’ stands for skillfulness while ‘sha’ refers to someone who knows. Geisha bears traces of the mystique of the Orient. Geisha aspires to something beyond the everyday and leaves an imprint of Japanese culture.
Geisha chocolate was launched in 1962. This chocolate was born out of the idea of combining Mimosa, a popular crispy filling from a Japanese bakery product, with Fazer’s esteemed and well-known milk chocolate. Success was assured from the very first moment.
Geisha’s international success rests on the product’s credibility. The values that Geisha mirrors are the same all around the world. Geisha is a chocolate for people seeking a harmounious, peaceful moment of indulgence amongst day-to-day routines. The different colours and forms of the wrapping carry one’s thoughts to the Orient and Japanese culture.
【ひなぎく訳】
Geishaはまったく特別なもの。そう思いませんか? 味、堅さ、食した感じが他の何にも似ていません。Geishaは楽しい時間をもたらします。日常の小さなことがらに思いを馳せ、感謝する時間。夢に遊ぶひととき、そしてひと息ついて物思う小休止のとき。毎日に小さな夢があります。
Geishaとは芸事の技能をもつ人のことです。 ‘ Gei ’ は熟練した技能を意味し、一方 ‘ sha ’ とはそれを知る人を指します。Geishaは東洋の神秘的な雰囲気をとどめています。Geishaは日常のはるか向こうにあるものを希求し、日本の文化の刻印をとどめています。
Geishaチョコレートは1962年に発売されました。このチョコレートは、日本の製菓品で人気のカリカリしたフィリングであるMimosaを、Fazerで高く評価され良く知られているミルクチョコレートと組み合わせるというアイディアから生まれました。成功するのは最初から約束されていたようなものです。
Geishaの国際的な成功は製品の信頼性にかかっています。Geishaがあらわしている価値観は、世界中どこにおいても変わりません。Geishaは、決まりきった日常の中に、調和のとれた平和な耽溺のひとときを求める人々のためのチョコレートです。
さまざまな色と形のラッピングは、東洋と日本文化への思いをいざないます。


